全世界株式投資。MSCI ACWIとFTSE GACIの違いについてまとめてみた。

MSCIACWIとFTSEGACIアイキャッチ

きりもん(@kirimonsan)です。
このブログは、38歳3人家族の平均的サラリーマンが53歳でFIREするまでの記録です。
「節約と積立投資」という誰もが再現可能な貯蓄方法を実践することで皆さんの資産形成のお役に立ちたいと思います。
節約で投資余力を生み出し、全世界株式中心のインデックス投資の積立投資で資産構築を目指します。目標は14年(52歳)で55百万円!!

前回、老後資金に向けた投資対象を考えました。

きりもん的に老後資金の形成は、リスク資産は全世界株式投資の投資信託で、非リスク資産は現預金を中心にリスク許容度を調整し、53歳までに5,500万円を貯めようとようと考えています。

全世界株式投資の投資信託は、投資対象が世界株式で全部一緒だと思っていました。現在、積立NISAを使って3つの全世界株式投資の投資信託へ積立中です。

この3つの投資信託は、資産規模や信託報酬の違いの他に、連動する指標に違いがあることが分かりました。

全世界株式の投資信託は今後も長期で投資していく予定なので、指標の違いを知っておきたいと思っています。

指標の違いは何なのか、結果、投資信託で違いは生じてくるのか、整理しておきたいと思います。

目次

全世界株式に投資出来る投資信託

全世界株式に投資出来る投資信託は、SBI、eMAXIS、楽天、たわらの4ブランドが代表的です。そのうち、きりもんが保有している商品はSBI、eMAXIS、楽天の3つ。

今回、この3つの投資信託の指数について整理します。

全世界株式投資の投資信託の比較です

ファンド名純資産額信託報酬目標とする指標(対象インデックス)

SBI全世界株式インデックス
ファンド

340億円
0.1102%
FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス
eMAXIS Slim全世界株式
(オールカントリー)
3,786億円0.1144%MSCIオールカントリーワールド
日 本:MSCIジャパン
先進国:MSCIコクサイ
新興国:MSCIエマージング・マーケット
楽天全世界株式インデックス
ファンド
1,447億円0.2120%
FTSEグローバル・オールキャップ
2021年12月17日時点 引用元 https://www.rakuten-sec.co.jp/web/fund/

純資産額、信託報酬、指数での比較です。純資産額はeMAXIS Slimが一番多いです。
信託報酬はSBIが一番コストが低いですが、他とほぼ横並びです。

それぞれ目標とする指標はFTSEグローバル・オールキャップ・インデックスとMSCI オール・カントリー・ワールド・インデックスの2種類。具体的には、楽天とSBIはFTSEグローバル・オールキャップ・インデックス(FTSE GACI)を指標した投資信託。 eMAXIS Slimは、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(MSCI ACWI)を指標とした投資信託です。

MSCI ACWIとFTSE GACIについて

全世界株式で有名なMSCI、FTSE(フッツィーと読む)は、株価や債券指数などを算出している金融会社です。

正式名称は以下のとおりです。

MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスMorgan Stanley Capital International All Country World Index。
以下、MSCI ACWI

FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス
FTSE Global All Cap Index
以下、FTSE GACI
(FTSE=フッツィーと読みます)。

MSCI ACWIとFTSE GACIの比較

MSCI ACWIFTSE GACI
投資対象国50か国49か国
投資対象株式2,976銘柄9,370銘柄
市場カバー率85%99%
構成銘柄比率1位Apple Inc 4.09%Apple Inc 4.09%
構成国比率1位米国61.47%米国60.20%
MSCI ACWI –2021年10月時点  FTSE GACI –2021年10月時点

最も大きな違いは投資対象の株数。約3倍以上の差があります。

MSCI ACWIは、先進国と新興国の計50か国で構成されています。大型株及び中型株で2,976銘柄に投資しています。

FTSE GACIは、先進国から新興国の計49か国で構成されています。大型株、中型株と小型株約9,000を超える銘柄に投資しています。

MSCI ACWI~先進国と新興国の大型株、中型株をカバーする指数

MSCIは、

  • アメリカ・ニューヨークが拠点。
  • NY証券取引所に上場している上場企業。S&P500にも組み込まれている。
  • 株価指数(インデックス)の算出、ポートフォリオ分析など幅広いサービスを提供

MSCIの代表的な指数は以下の3つ。

  • MSCI ACWI
  • MSCI JAPAN
  • MSCI コクサイ

MSCI ACWIの主な特徴は以下の通り。

  • 先進国23カ国、新興国27カ国の計50カ国がの投資対象。
  • 大・中型株の2,976銘柄に投資
  • 全世界株式市場の約85%をカバー
  • 時価総額(浮動株調整後)ベースで配分

(浮動株調整とは、発行済株式総数のうち会社の創業者や経営陣などが保有する取引できない株数を除いたもの)

FTSE GACI~先進国と新興国の小型株までカバーする指数

FSTEは、

  • イギリス・ロンドンが拠点。ロンドン証券取引所の100%子会社。
  • 株価指数(インデックス)の算出、管理や関連する金融データの提供サービスを行う
  • 株価指数以外にも債券指数、代替資産クラス指数を含め約12万を超える指数を算出

FTSEの代表的な指数です。

  • FTSE グローバル
  • FTSE JAPAN
  • FTSEカイガイ

FTSE GACIの主な特徴はコチラ。

  • 先進国25カ国、新興国24カ国の計49カ国が対象
  • 大・中・小型株の9,370銘柄に投資
  • 全世界株式市場の約98%をカバー
  • 時価総額(浮動株調整後)ベースで配分

(浮動株調整とは、発行済株式総数のうち会社の創業者や経営陣などが保有する取引できない株数を除いたもの)

構成国比率トップ5

国・地域MSCI ACWI 国・地域FTSE GACI 
アメリカ61.47アメリカ58.87%
日本5.72%日本6.20%
中国3.85%イギリス3.79%
イギリス3.51%中国3.57%
カナダ2.84%カナダ2.96%
MSCI ACWI –2021年10月時点  FTSE GACI –2021年10月時点

投資対象銘柄の違いからかFTSE GACIが米国比率が若干低め。
但し、どちらも大きな乖離はありません。
3位の中国・イギリスで若干の違いが見られます。

構成銘柄比率トップ5

銘柄MSCI ACWI 国・地域FTSE GACI
APPLE4.09%APPLE 3.34%
MICROSOFT CORP3.51%MICROSOFT CORP 3.20%
AMAZON.COM2.36%AMAZON.COM 1.96%
TESLA1.39%TESLA 1.17%
ALPHABET A1.27% ALPHABET A 1.10%
MSCI ACWI –2021年10月時点  FTSE GACI –2021年10月時点
表中の ALPHABET A はGoogle(google株の持ち株会社)

構成銘柄トップ5の順位はどちらも同じ。
世界の株式市場でアメリカ企業が強いことがよくわかります。
ちなみに、上位10銘柄のうち9銘柄はアメリカ企業。

FTSE GACIの方が銘柄数が多いので、1社あたりの比率が低くなっています。

過去10年の利回り比較(参考)

どちらのリターンが大きいのか確認しました。

指標同士で比較できるデータを見つけることが出来なかったので、指標に連動するETFで比較します。

比較するETFは以下の2つです。

  1. MSCI ACWI を連動対象とする海外ETF iシェアーズ MSCI ACWI ETF(ACWI)
  2. FTSE GACIを連動対象とする海外ETFバンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)

この2つのETF、商品設定日も近く比較しやすかったです。

 ACWI  VT
設定日2008/03/262008/06/24
市場価格リターン1年19.57%19.55%
市場価格リターン3年 15.99%16.05%
市場価格リターン5年14.15%14.02%
市場価格リターン10年 11.46%11.53%
標準偏差3年17.76%18.18%
標準偏差5年14.80%15.11%
データ基準日:2021年11月30日時点 参考元 モーニングスター

2021年11月30日時点で、ACWIだと1年前から19.3%増えて、10年前から毎年11.46%増えた。という過去実績です。

若干差がありますが、利回りはほぼ同じ。

この比較は純粋な指標の比較ではなくETFの比較なので注意が必要です。
信託報酬など株価推移以外の要因が影響しています。

信託報酬の比較です。

ACWIVT
信託報酬0.32%0.08%
データ基準日:2021年11月30日時点 参考元 モーニングスター

信託報酬はACWIが(けっこう)高いです。
コスト面で劣勢なACWIがVTに対して遜色ないリターンを出しています。

銘柄数が少なく米国株への比率が高いことからリターンが大きく、信託報酬というコスト面の不利をカバー出来ているのでは。と考えています。

まとめ

以下、まとめです。

  • MSCI ACWIFTSE GACIともに全世界株式へ投資することは可能。
  • FTSE GACIは小型株を含むため、より幅広に分散投資出来る(MSCI ACWIは小型株を含まない)。
  • MSCI ACWIは銘柄が少なく米国株への比率が高く、FTSE GACIに比べてリターンが高い可能性がある。

銘柄数の違いから、国ごと、銘柄ごとのアメリカのシェアが違っていました。
アメリカ経済の強さからアメリカ株式への投資シェアが大きいMSCI ACWIFTSE GACIのリターンが上回っている可能性が高いと思っています。

同指数を連動対象としたETFを比較しても、MSCI ACWIFTSE GACIと遜色ないリターンを出しています。

考えるべきことは、アメリカ一国投資における効率性と全世界株式投資における分散効果(保険)どちらを取るか。に帰属していくかと思います。

アメリカ株の落ち込みが大きくなれば指数への影響も出てくること。ETFではコストの差が表面化しリターンにも影響してくるものと思われます。

きりもんの考えとしては全世界への投資を心掛けたいと思っています。
より幅広に分散投資出来るFTSE GACIがいいかなと思いますが、個別の投資信託を踏まえて判断したいと思います。

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このブログの管理人

サイト来訪ありがとうございます。
きりもんさんです。東京で家族3人仲良く暮らすパパです。
最近、53歳でセミリタイヤを行うべく貯金生活を始めてみました。
貯金リテラシー低かったこともあり、試行錯誤、四苦八苦しながらですが、
コツコツと歩みを進めていきたいと思ってみます。

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